環境への予測計算はあてにならない

工場などを計画する場合、環境への影響度合いを事前に計算して予測することが多いが、ほとんどの場合、操業後の測定値が予測値を超えあてにならない。その事について騒音予測について述べてみたい。

 日常生活の中で風向きにより音の伝わりの違いに気が付くことがたくさんある。私の住んでいる地域は、吉原小学校と福井小学校の間にあるが、北寄りの風の時には吉原小学校の放送が良く聞こえ、南寄りの風の時は福井小学校の放送が良く聞こえる。

 音は空気を介して伝わっていく。従って空気の流れ(風)と音が伝わる方向が同じだと音の伝わり方(音の速さ)は早くなり、風の方向と逆であれば音の速度は遅くなる。風は地表面抵抗の影響で高くなればなるほど風速が速いので、順風であれば高いほど伝搬する騒音の速度が加速され速くなるので風下側では空気にも粘性があるので下向きに曲げられ、その結果として地上へは音が伝わりやすく、逆に風上側では上空になればなるほど風の伝わる速度が減速され遅くなるので上向きに曲げられ地上へ伝わりにくくなる。その模式を表現したものが下図です。これはあくまで定性的に言えることで定量的に表すことは難しいようである。

F:\バイオマス発電所\反対活動\環境の予測\風の影響.jpg

いろいろと調べておりましたら、音響学会の文献の中に次のように記載されているのを見つけました。それを抜粋します。「気象の影響による騒音レベルの変動については、気象条件が場所や時間により複雑に変化すること、また各要因が相互に影響しあうことによりその程度を定量的に答えることは難しい。なお、屋外における音の伝播実験を行った結果から、風および温度分布によるレベルの変動幅は、周波数が高いほど、また伝播距離が長いほど大きく、100m程度での比較的短い距離でも10~20㏈程度、1km程度では20~30㏈程度になるという例もある」とあった。

 今年1月25日の説明会で、「風を考慮した騒音シミュレーションは出来ないのでは」と質問したところ、日立造船も「風を考えた騒音計算はできない」とそのことを認めたうえで、「風の影響などシミュレーションに反映できないことを考慮し、安全サイドにと予測計算結果に3㏈加算している」との事。

 3㏈の違いは、音圧にして約1.4倍ですから確かに小さなものではないとは思います。舞鶴市に3㏈の根拠を聞いたところ、「ラジエーターが剥き出しの為温度上昇があり温度の騒音への影響は大きいので+3㏈している」との答えであった。おそらくいろいろな問題が考えられるのでそれらの不確定な要因を考えて安全側に+3㏈しているのだろう。しかし、上述の音響学会の論文ではレベルの変動幅が10㏈以上あったという事であるので、安全サイドになっているとはとても思われない。予測計算を信じることはできないことになる。

 現に福知山のバイオマス発電でも、説明会では騒音の予測値として、建物の外壁の外すぐ近くで最大50㏈と説明していたが、実際は73㏈だったというように、多くの場合に予測値を大幅に超えるケースがほとんどである。要は、建設側は都合のいいデーターを作り建設をとにかく進めたいのである。

                            (文責 齋藤裕靖)

提案:Web会議サービスを利用して公開討論会&住民説明会を開催しよう

舞鶴市長 多々見 良三様

コロナ禍の中、世界中が大変な思いで必死に生きている中で、私たちは「パームとの戦い」も余儀なくされており、日々苦しんでいる事を最初にお伝えします。

コロナウイルス感染防止のために不要不急の外出が禁止されている中で舞鶴市担当者より何度も申し出のあった「再度の住民説明会の開催」依頼ですが、元医師でもあった多々見市長の指示で開催されるので私たちは安心だとは信じたいですが、残念ですが信じる事はできません。
多々見市長は元医師とは言いましても現役ではありませんので、その言葉を信じずに日本政府の進める「三密」の禁止に従って「再度の住民説明会の開催」は拒否させていただいています。

しかしながら、私たちもコロナウイルスと同じく、パームに関しても先の見えない戦いを二重に苦痛を強いられるのは精神的にもきつく、心底困っています。
そこで私たちから提案させた頂きたいことがあります。

提案:Web会議サービスを利用して公開討論会&住民説明会を開催しよう

大変失礼な言い方をして申し訳ないですが日立造船の担当者は東京本社の方ですので、絶対に舞鶴には来て欲しくありません。
舞鶴市役所の方も、正直に申し上げてコロナ禍の中で住民説明会の開催を迫るような危機管理能力がない首長の元で働いてる方は私たちも怖いので、住民説明会はWEB会議にて開催を御願いします。
また住民や専門課(環境NGO)の意見を聞いてもらうために公開討論会も開催しましょう。

WEB会議くらいは積極的に先進技術を取り込み、「便利で心豊かな田舎暮らしができるまち(舞鶴版 Society5.0)」の実現を進めている舞鶴なら簡単に実現出来きますよね?

私たちが公開討論会でお話したい相手は

1.舞鶴市長 多々見良三 様

2.日立造船 代表取締役 取締役会長兼CEO 谷所敬 様

3.京都府知事 西脇隆俊 様

私たちがどれほどパーム油火力発電所を忌み嫌っているか
熱く3名の方にお伝えします

私たち以外にパーム油生産国で活躍する環境NGOの方やバイオマス発電の専門家を招集させていただきますし、関心があるすべての人々も一緒に討論に参加したいと考えています。
関係するすべてのキーマン、有識者、活動家達を集めて議論を行いましょう!

実は、この案は多々見市長のお言葉から思い付きました!

4月10日発行 舞鶴市民新聞に掲載された市長の言葉

・「一連の不祥事によって積もっている不信感はとうてい拭えるものでは無い」

・「どんなに安全な車でも、下手なものが運転したら事故が起きる。運転手が信頼できない状況だと安全が担保されるものとは思えない」

・「なぜ社長が来ないのか。意気込みが全く伝わってこない」

この3つの言葉、私たちが常に多々見市長に対してお伝えしたかった言葉ですが、多々見市長自らが発せられたということは多々見市長は市民の想いを感じ取っておられるのだと感じました。
多々見市長が関西電力の対応を非難されたように私たちもこのように思っています。

・「舞鶴市と日立造船、多々見市長の不誠実な対応によって積もってる不信感はとうてい拭えるものでは無い」

・「どんなに安全と自称する発電所でも、下手なものが操縦したら事故が起きる。日立造船や多々見市長が信頼できない状況だと安全が担保されるものとは思えない」

・「なぜ市長・知事・社長が来ないのか。意気込みが全く伝わってこない」

会議は全公開、録画にて後日YouTubeで放送とさせていただきます。
舞鶴市長、京都府知事、日立造船社長は現場を見る時間が無いほどお忙しいと思いますのでWEB会議は数回にわけていただいても結構です。

私たちはリーダー達に生の声をお届けしたい!

以上ご検討ください!

舞鶴西地区の環境を考える会 代表 森本たかし


パーム油火力発電はFITにふさわしくない

パーム油火力発電はFITにふさわしくない

 舞鶴で計画されているパーム油火力発電所は、2017年(平成28年2月20日)にFITの認定を受けている。
 27年度末までに認定を受けた再生可能エネルギーはいろいろな特典があり、何より売電価格が高価な24円/kwhと固定されているうえ、認可を得てから4年以内に開運しないと遅れた分だけ調達期間が月単位で短縮されることも適用除外となっている。
 その特典を受けるために多くの事業者が駆け込み的に申請し27年度末までに認可を得たようである。

 舞鶴のパーム油火力発電所もその一つで、急いだため非常に杜撰な申請であったようで、事業者である舞鶴グリーンイニシアチィブ合同会社(以下MGI)の事業所の事務所はいまだに電話も職員もおらない状況。

 2011年の東日本大震災時に発生した福島の原発事故が原因となり、国内の全原子力発電所が稼働をストップした。
その後いくつかの原子力発電所は稼働再開したものの、原子力発電の危険性が明らかになり、何より使用済み燃料の捨て場が無いという矛盾が露呈し、これまでのように原子力発電にエネルギー供給を任せるのは安全でないことが分かった。


また日本は国内で消費するエネルギー源のおよそ8割を、他国から輸入した石炭や天然ガスなどの化石燃料に頼っている状況である。
化石燃料は将来的に枯渇するのに加えて、発電時に大量のCO₂やその他有害な物質を発生させ環境に悪影響を及ぼし、地球温暖化を防止することが出来ない方式である。
そうした中、リスクが少なく環境にもやさしい再生可能エネルギー発電を国内で増やしていこう!という事になり、その方策としてFIT制度が導入された。


一般的に新しい技術である再生可能エネルギーによる発電設備は導入に高いコストがかかるので、発電事業者のコストが軽減されるよう期間を定めて電力会社が電気を買い上げ、賦課金として国民にも一定の負担を強いるという仕組みである。


一定の期間国民に負担を求めても、再生可能エネルギーを日本の主力電源にしていこうとの強い願いがあり、再生可能エネルギーの導入を促進し、環境への負荷低減を実現しつつ長期にわたり安定的に発電を継続していくことが国民のコンセンサスを得たからである。


しかしながら,MGI及び日立造船は、喜多地区の環境保全委員会で「20年たってその時に儲からないようになっておれば事業をやめることになるだろう。
そうなれば発電所は撤去し、更地にして京都府へ土地を返すことになるだろう」と公言しました。
なぜなら、パーム油の安定供給がむずかしく、パーム油が高価になるだろうと彼らも考えているからである。


パーム油は長期のエネルギーの確保にはならない事を知っているのである。言ってみれば、20年間の金儲けだけを目的とした事業でしかない。
このことからもパーム油火力発電は、我々国民が負担してまで育てようとする再生可能エネルギーではないという事は明らかである。

齋藤 裕靖

抗議文:新型コロナの中で住民説明会の開催を求める日立造船 代表取締役 谷所 敬と舞鶴市長 多々見良三へ抗議します!

新型コロナウイルス緊急事態宣言のタイミングで最大級の抗議をおこないます。

舞鶴市は執拗に日立造船と一緒に地元説明会を再度、開催したいと何度も申して入れて来ています。

私達は新型コロナウイルスを理由にお断りさせて頂いていました。

4月2日におこなわれた舞鶴西地区の環境を考える会と喜多地区 環境保全委員会(地元自治会代表)の合同会議でもこの件が話題になり、住民側の不安があらわになりました。

住民側としては日立造船の担当者は東京からの出張で舞鶴に来ますし、外部との接触の多い市役所職員との接触も心配ですが、住民側が話し合いに応じないとの勝手な判断で強行突破されることを恐れています。

私は代表として会員を守る責任がありますので、新型コロナウイルスが収束するまでは日立造船と舞鶴市の住民説明会は断固として拒否させていただきます。

日立造船代表取締役 谷所 敬、舞鶴市長 多々見良三の二名に対しては良識有る行動を取って頂きたいときつく申し上げます。
谷所敬、多々見良三は大企業と行政のトップに有りながら、この非常事態に自分たちの利益を優先するなどリーダーとして失格です。
部下が勝手にやったなどという言い訳は通用しません。

特に多々見良三は医者であり、舞鶴市民に対して活動の自粛を要請しながらこのような行動を部下にさせるなど言語道断です。

2020年4月8日
舞鶴西地区の環境を考える会 代表 森本隆

重要:舞鶴市から私たちの信頼を裏切る行為がありました。

2020/04/03 舞鶴市民新聞の記事です。
舞鶴市 令和二年度の人事異動についての記事ですが、信じられない内容です。
記事には
木質バイオマス・パーム油を燃料とするバイオマス発電など「持続的で自立的な再生可能エネルギー」を導入し、災害時の非常電源確保、エネルギーの地産地消などの施策を統括するため、生活環境課に「地域エネルギー推進担当課長」を配置、「環境に優しい持続可能なまちづくり」を目指すとしている。
と記載されています。

住民説明会では「住民の反対を押し切ってまで計画は進めない」との回答があり、私たちは行政を信じて対話の準備を進めていました。

ですがその一方で「地域エネルギー推進担当課」と称するパーム油発電の推進をおこなう部門を計画していたとは失望を通り越して絶望に近いものがあります。

今後の対応についてはメンバーで相談する事になりますが、舞鶴市との信頼関係が大きく損なわれたことには間違いはありません。

「舞鶴西地区の環境を考える会」として対策を検討している最中ですので引き続き皆様の御支援を御願いします。